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人間に魂はあるか? – 本山博の学問と実践 –

¥ 3,960 (税込)

領域横断的な科学者にして宗教者である稀代の見者、本山博博士の仕事を通して、スピリチュアリティと宗教のあり方やありうべき研究の展望について、根本的・本質的に考究する。

本山博士は、比較宗教学、宗教哲学、電気生理学、超心理学などの多領域を越境・統合する諸研究によって、世界と人間の宗教的/スピリチュアルな存在構造とその動態を解明しようとしてきた世界的な碩学である。
それゆえ、スピリチュアリティや宗教について議論する際には真っ先に当たらなければならない存在である。しかしながら本山博士は、海外では「スピリチュアリティといえばこの人」と言われ、その著書がユネスコより哲学部門優良図書に挙げられるほどに著名な「スピリチュアリティの巨人」であるにもかかわらず、国内では一部を除き、その業績や人となりが人口に膾炙することはほとんどない。本書はこの意味で、本山博士の仕事の研究史的・実践的な意義について議論する世界初の画期的な書であると言えよう。

著者:稲盛和夫/影山教俊/神尾学/小林正弥/佐久間秀範/津城寛文/村上和雄/本山博

編集:樫尾直樹/本山一博

国書刊行会 刊

四六判 404頁

本体価格:3600 円

商品カテゴリー: Product ID: 1568

説明

はじめに 【編者】

第1部 不可視の共同性の諸相―人文社会科学への示唆

第1章「形而上学の夢」と「視霊者の夢」―魂問題と社会的ビジョン

【小林正弥】

第2章 宗教(研究)の他界的側面と社会的側面―本山博の位置付け

【津城寛文】

 

第2部 瞑想研究のプラットホーム―普遍宗教を求めて

第3章 比較瞑想論と宗教間対話―宗教研究の実践論的転回へ

【樫尾直樹】

第4章 瑜伽行唯識派と密教ヨーガ

【佐久間秀範】

第5章 瞑想体験とは何か―分析から受容へのプロセス

【影山教俊】

 

第3部 インタビュー 「神」が立ち現れるとき―二つのオマージュ

第6章 私が神仏を感じたとき―魂の経営哲学

【稲盛和夫】

第7章 魂と遺伝子―サムシング・グレートの生命科学

【村上和雄】

 

第4部 本山学の核心―科学・哲学・宗教の統合の試み

第8章 魂の存在の電気生理学的証明

【本山 博】

 

第9章 相互内在―本山博神学に通底するもの

【本山一博】

 

第5部 二十一世紀の新しい科学/学問のビジョンー魂の実在性を仮説的に前提とする

第10章 鼎談 地球時代のスピリチュアリティと宗教―本山博氏の仕事をめぐって

【樫尾直樹・影山教俊・小林正弥・司会 神尾学】

 

本山博先生略年譜
あとがき 【編者】

第1部 不可視の共同性の諸相―人文社会科学への示唆
小林正弥 / 津城寛文

公共性、および他界性と社会性という不可視の共同性の2つの位相をめぐる人文社会科学の議論において、本山博士の研究がどのように位置づけられ、どのような学問的貢献を果たす(果たしている)のかについて、論じられる。

第2部 瞑想研究のプラットホーム
樫尾直樹 / 佐久間秀範 / 影山教俊

「本山学」がヨーガを中心とした瞑想実践をその研究の核に据えている点に大いに着目し、
①比較瞑想論の方法論的意義と学問的広がりに関する宗教学的研究
②唯識瑜伽行派と密教ヨーガに関する仏教学的論考
③止観をそのモデルとする瞑想の一般的構造に関する仏教心理学的考察
という3つの観点から、問題提起を行う。

第3部 インタビュー「神」が立ち現れるとき
稲盛和夫 / 村上和雄

本山博士と親交のある同世代の経営者、稲盛和夫と、生命科学者、村上和雄の2人の「かずお」氏が、それぞれの実践や研究の領域で、魂や神仏についてインタビュー形式で語り、本山博士へのオマージュを表現する。

第4部 本山学の核心
本山博 / 本山一博

本書の題名とした「人間に魂はあるか」というラディカルな問いに関して、電気生理学的な実証研究を行ってきた本山博博士本人の講演と、その質疑応答が、 まず所収されている。次いで、本山博士の宗教的後継者である本山一博氏が、「本山博神学」全体に通底する「相互内在」という核心部について、総合的に論じる。

第5部 二十一世紀の新しい科学/学問のビジョン
樫尾直樹 / 影山教俊 /小林正弥 / 神尾学

第1・2部の執筆者である樫尾直樹、影山教俊、小林正弥の3名が、「地球時代のスピリチュアリティと宗教」というテーマで鼎談を行い、本山博士の仕事を批判的に検討し、その将来への発展と継承を展望することを通して、これからの新しい学問/科学のビジョン、地球時代に希求されるスピリチュアリティと宗教のあり方とその方向性について、徹底討論する。

今日の唯物論的な知やライフスタイルは限界にきている。本書は、21世紀型の新しい学問/科学のフロンティアを切り開く、知のブレイクスルーとなるであろう。

(国書刊行会ホームページより)