脳・意識・超意識  

−魂の存在の科学的証明−

本山 博著


第3章 目 次 ・ 序 文


序 文
 
 今世紀の中頃までは、神経医学、大脳生理学では意識について研究することはタブーであった。意識機能についての客観的研究法がなかったからである。それが、HRP(T、1)を参照)や免疫組織化学法等によって、脳の構造、機能の単位である神経細胞の分布、走向を調べることができるようになり、微小電極によって、或る意識機能が活動している時、或る特定の神経細胞が活動している(活動電位を発している)ことが解るようになった。また、或る脳部位の破壊、損傷によって、或る特定の意識機能が失われる。それを通じて、或る特定の脳部位と或る意識機能とが密接な関係にあることが判明してきた。
 今日では、神経医学、大脳生理学による意識研究がますます盛んとなり、意識と脳との関係が次第に明らかになりつつある。
 たとえば、覚醒と睡眠は、中脳網様体の覚醒系のインパルスが視床を経て大脳皮質に送られ、皮質の各部位を活動せしめて覚醒が生じる。睡眠は、延髄網様体と視索前野からの抑制が中脳網様体に及び、そこからのインパルスが抑制され、視床―皮質間に視床の内在性活動に基づく同期現象が生じ睡眠に入る等のメカニズムによって、覚醒と睡眠の現象が説明される。
 左右脳の左脳は言語能と自我意識をもち、右脳には言語能がないが、触覚等による知的機能をもっている。左右脳は脳梁で結ばれて密接に関係しつつ、一つの意識機能を形成している。
 無名質のコリン神経細胞の活動は、認識、見当識等の高度の意識機能と密接な関係がある。視床背内側核や海馬は、新しいことを記憶する機能と関係している。
 脳では、学習によって或ることが記憶されるのは、神経細胞間のシナプスの移動と伝達効率の変化によってなされるのであって、コンピューターのようにCPO(演算処理装置)と記憶装置とが分かれていない。
 最近では、脳の視覚等の感覚情報機能システムでは、皮質の表面から0.5oほど垂直と平行に区切ったコラム構造の中に機能単位としてモジュールがあり、これらのモジュールが感覚情報をそれぞれに処理して次第に高次の視覚野、感覚野に送り、それらが統合されて意識的知覚が生じる脳内メカニズムも、次第に明らかになりつつある。
 これらの脳研究に基づく意識研究によって、心(意識)と脳との関係を多くの学者が考えているが、それらは2つに区別される。
 @ 心は脳の働きの延長にすぎない。心は脳の働きの産物である、と考える説と、
 A 心を完全に脳に還元できない。本質的には心と脳は別のものである、という説
である。
 今のところ、神経医学の立場では何れとも決定できない。本書を通して読んで戴ければ解るように、現在の神経医学、大脳生理学で言えることは、脳の或る特定部位の構造機能と或る特定の意識機能の間に密接な相関関係があるということだけである。それ以上のことは、物理的時空の中で必然的法則に従う物質としての脳と、自由性と、超時空性をその本質とする意識と意識内容の間の相関のメカニズムが解らない限り、言えない。
 著者は、幼少から優れた霊能者である母の下で断食(1〜2週間)、断眠(最高3週間)、滝行、瞑想等の厳しい修行を50年余り続け、現在も瞑想を毎日行なっている。その結果、幼少の頃から超能力が目覚め、人、民族、家、土地、国等について、その何百年、何千年も前の、今は見えない過去のこと、今は存在しない未来のことを明確に観ることができ、その幾つかのケースは、それが過去に真実に存在したこと、真実に数年後に現象したことを確かめることができた。また、人々の病気を魂の力、エネルギーで治すこともできる。
 これらの体験を通じて、魂、心は単に脳に依存して働くばかりでなく、物質である脳から独立して存在する存在であり、身体、脳から独立して直観、認識、記憶、物への働きかけ、物に秩序を与える創造を行なうことができることを、身を以って体験している。人々も、霊的成長をすれば、私と同様の能力を得ることができる。
 魂の物からの独立性、超時空性、自由性、魂が超時空的に、感覚に頼らないで過去・現在・未来を知る能力をもっていること、物に働きかけ、それに新しい秩序を与えることができること等を、間接的にでも科学的方法で証明し、人々に、物に依存しないで存在する魂のあることを知らしたいと思って、この40年余り、超能力、超常現象の生物物理学的研究を行なってきた。たとえば生体の微細なエネルギーである気エネルギーの測定、経絡の解剖生理学的研究、それがAMIの発明となった。ESP(超感覚的知覚)の発現する条件の生理学的、経絡医学的解明、PK(念力)の発現する条件とメカニズムを解明するための生体電位測定、フォトン測定による研究を行なってきた。
 これらの研究を通じて、人間の心は、単に脳に依存して働くもの、脳の働きの延長産物ではなく、物の必然的法則やエネルギーに支配されずに独立して存在し、物の在り方を変えることができる、物に秩序を与えるものであることを、間接的に科学的に証明できたと思う。
 これらの諸研究とその成果を第2章で詳述し、心は物から独立して存在し働くものであることを明らかにしよう。
 第1章では、現在の神経生理学、大脳生理学がこの30〜40年の間に長足の進歩をとげ、今までタブーとしてきた意識の問題を、感覚、知覚、記憶、注意、思考、言語、概念形成、認識等の意識の各機能と、一定の脳部位とその機能との関係を次第に明らかにしてきた。そして現代、未だ脳と心(意識)とはどんな関係にあるのかは十分には解らないが、心と脳の関係について、心は脳機能の延長、心は脳の働きの産物と見なす説と、心、意識機能を全て脳には還元できないとする説の2つに分かれているままであることを明らかにした。
 私の長い宗教的修行に基づく超意識体験と、超意識、魂の超常能力とそれに基づく超常現象の、超心理学的研究、生物物理学的研究、経絡研究を通じて、私は、心や魂は単に脳、身体との関係において働くだけでなく、本来、脳や身体に依存しないで、物事を物理的次元及び霊的、超物理的次元で認識したり働きかけたりするものであることを知っている。このことを、間接的ではあっても、科学的に明らかにしようとして、30〜40年間、多くの実験をした。その実験とその結果、及びそれらを通じて明らかになった心、魂の認知、物質支配能力について、この第2章で詳しく説明をしたい。
 魂、超意識は物理的次元の物質に制約されることなしに存続し、脳や感覚や物理的時空に制約されずに物理的次元の物質に働きかけ、認識する。この超意識が、自ら形成した脳や身体との関係において働く時、いわゆる意識が生じるのであることについては第3章で説明したい。


目次

T 超意識について
1)宗教経験における超意識
  A 身体を整える
B 心をととのえる
2)外なる神霊の超意識と内なる超意識
3)超意識と、精神異常、ノイローゼ、霊的危機を区別する基準
  A 無意識、超意識の発現しやすい状態、その状態をつくるもの
U 超意識の発現
1)超意識の発現しやすい条件
2)死後存続する魂との一致に至る条件
A アストラルの魂との一致の条件
B カラーナ次元の魂との一致の条件
3)超意識に達する道
A 超作
B 宗教的修行−−精神集中、瞑想
V 超意識の種類
1)超意識の二種
A カルマの法則を脱していない魂の次元の超意識
  B カルマの法則をこえた純粋精神(プルシャ)の超意識
2)空の超意識
W 超意識の超能力
1)アストラル次元の超能力
  A 生理学的観点からみたアストラルとカラーナの三昧で生じる
    超能力の相違
B 二重認知−−アストラル次元の超感覚と物理的次元の感覚
  C 超能力の電気生理学的証明
2)カラーナ次元の超能力
A 物や身体の支配
  B 認知能力と形成力の一致
3)プルシャの次元の超能力
A プルシャの物との関係
  B 創造神と、プルシャ、原物質
C 肉体を形成しうるプルシャと形成しえないプルシャ
X 超意識の存在性と認知能力
1)超意識(プルシャ)の存在性
A 場所的存在としての超意識(プルシャ)
  B 場所的存在としての超意識の多重次元性−不変と随縁−
  C 場所的意識としての超意識と直観知
2)宗教的世界、超意識の世界が科学的世界の根底にある
――宗教と科学の統一――
3)超意識の認知能力
  A 直観知、叡智−カラーナの智慧とプルシャの智慧の相違−
  B 精神的直観、存在直観
  C 場所の意識とその自覚
Y 意識と超意識との関係
1)超意識で知ったことが意識に伝えられる
  A アストラル、カラーナ次元の超意識と意識の関係
B プルシャ次元の超意識と意識の関係
C プルシャの超意識と創造神、絶対との関係
2)超意識と意識、人格、脳との関係
A 意識は、超意識が脳との関連において働く時生じる
  B 人格の持続性、不変性はアストラル、カラーナの超意識による
Z 結論

参考文献


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